震災のとき、トイレってどうなるの?
明日、2020年3月11日で、東日本大震災から9年が経ちます。
阪神淡路大震災からずっと、地震にせよ水害にせよ、災害が起きるたびにトイレ問題が発生しています。
下の図は、東日本大震災の避難所で問題となった施設・設備です。
避難所でもっとも問題となった施設・設備は「トイレ」でした。
ところで「トイレ問題ってどうなるの?」そんな疑問が多くの方にはあると思います。
トイレ問題というのは、簡単に言うと、突然、水洗トイレが中長期的に使えなくなってしまうことです。
水や食事は1日ぐらい無くても何とかなりますが、排泄をとめることはできません。
回数だって、睡眠は1日1回、食事は3回、トイレは7回ぐらい行きますよね。
災害時にトイレが使えなくなると、どうなると思います?
おそらく1人目は、水が出ないことに気づかずに使ってしまい、排泄したあとに「あれっ、水が出ない!」って、あわてるのだと思います。でも、トイレには次から次への人が来ます。止むにやまれず使い続けるしかありません。すると、あっという間に便器はうんちとおしっこで満杯になります。
かなり、悲惨な状態です。
断水しているので、劣悪な状態になったトイレを元どおりにするのは大変です。
運よく仮設トイレが届いたとしても、ほとんどが和式で、雨でも雪でも、寒くても暑くても屋外に行かなければなりません。しかも夜は真っ暗です。女性や子どもは怖くて行けないと思います。エレベーターも止まっているので階段の昇り降りも大変です。また、朝は仮設トイレに長蛇の列が出来て、1時間待ちということもありました。
このような状況になると、被災者の方々は、できるだけトイレに行かないようにと水分を控えてしまいます。そりゃそうなりますよね。
でも、これはとても良くないことなのです。
トイレに行けないことが引き起こすこと
災害時は、極度のストレスや不安で眠れませんし、栄養も偏ってしまいます。そんな中、水分摂取を控えてしまうと、一気に体調を崩します。
脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓、誤嚥性肺炎、膀胱炎、尿路感染症など、深刻な状態になることも考えられますし、死に至ることもあります。
東日本大震災の関連死で、もっとも多い原因は「避難所等における生活の肉体的・精神的疲労」でした。極端かもしれませんが、トイレが嫌で水分を摂ることを控えてしまったことが疾患の引き金となった方も少なくないと思います。また、水分を摂らずにじっとしているというのは、エコノミークラス症候群にもなりやすいです。
でもトイレのことって、話題にしづらいし、ものすごくプライベートなことでニーズも千差万別、要望を言おうとすると何だかわがままを言ってるような感じになってしまいます。さらには、勇気を出して言おうにも誰に言っていいかすら分からない。
そのため、困っている声があがってきません。
よって、声にならないことは「問題なし」になってしまうのです。
大切な人を守るためのアイテム
今後、首都直下地震、南海トラフ地震の発生が心配されています。さらには2019月2月、政府の地震調査委員会は日本海溝沿いで30年以内にマグニチュード7クラスの大地震が発生する確率は最大で90%程度以上あると発表しました。
とくに都市部においては、人の数が多すぎて避難所に入りきらないことが予想されます。
もし、自宅の建物が大丈夫であれば、そこで避難生活をするしかありません。
そのとき、トイレの備えがなければ、自宅にいることも出来なくなります。
だからこそ、トイレの備えが大事です。
自宅で避難生活をおくるために必要な備えは「携帯トイレ」です。
携帯トイレとは便器に取り付ける袋式のトイレで、吸収シートや凝固剤を入れて、うんちとおしっこを安定化させる製品です(携帯トイレの具体的な製品は、こちらを参考にしてください。
自宅はもちろんのこと、避難所もオフィスもトイレの初動対応は「携帯トイレ」です。
北海道胆振東部地震のとき、避難所となった札幌市立美しが丘緑小学校は、関係者が力をあわせてとても上手く携帯トイレを使いこなしました。
被災経験者の声に学ぶことはとても大切です。
そして、その声を備えにつなぐべきだと思います。
これを読んでくださっているあなた自身、さらにはあなたにとって大切な方を守るために、携帯トイレを備えてください。
災害時のトイレ事情と、携帯トイレの使い方を説明する動画「災害時、水洗トイレは使えない」をつくりました。ぜひご覧ください。そして、広めていただければありがたいです。
携帯トイレを活用した事例
タワーマンションから考える都市の防災|浸水の危険に備えていますか?【前編】
タワーマンションから考える都市の防災|停電にも携帯トイレの備えを【後編】
(本記事は、note「うんちはすごい!」から転載しています。)
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