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便秘の悩み、受診してスッキリ解消しよう

EAファーマ株式会社
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2023/10/27

EAファーマ株式会社とNPO法人日本トイレ研究所は、排便に関する正しい情報を伝えていくため、排便に関する啓発に取り組んでいます。

 

そもそも便秘ってなに?

便秘についてあなたはどんなイメージがありますか?「若い女性がなるもの」「体質だから仕方がない」「年のせい」などでしょうか。
便秘はよくある症状のひとつですが、近年、心筋梗塞や脳梗塞、慢性腎臓病、認知症など、さまざまな病気と関連していることが分かってきました。1)2)

そもそも便秘とはどんな状態を指すのでしょうか?
「便秘=排便の回数が少ないこと」だと思われがちですが、それだけではありません。
毎日便が出ていても、便秘の場合があります。「硬く小さな便が少量しか出ず、何度もトイレに行きたくなる」、「強くいきんでも、なかなか便が出ない」、「うまく出せない感じがある」なども便秘の可能性があります。

 

便秘を解消するには、まず自分の便の状態を知ることが大切です。
便の状態を知るのに役立つのが「ブリストル便形状スケール」という国際的な分類指標です。
硬い便、正常便、軟らかい便を、7段階で表現しています。3・4・5が正常な便で、1・2は硬便(便秘の便)、6・7は軟便(下痢の便)です。3)

トイレに行ったら、何番の便が出たかを確認してみましょう。

ブリストル便形状スケールを伝えるポスター
https://www.eapharma.co.jp/sites/default/files/patient_files/useful/material/pdf/poster.pdf

 

便秘がほかの病気に与える影響

便秘が続いていることで、日常生活に影響が出ている場合、「慢性便秘症」の可能性もあります。慢性便秘症になると、例えば1日中おなかが気になって仕事や趣味等に集中できない、外出や旅行をためらうなど、生活の質(QOL)の低下が起こることもあります。
特にシニア世代になると、便秘による食欲の減退や外出を避けることで、筋肉の衰えにつながり、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間)をまねく可能性もあります。4)

慢性便秘症は病院で治療することで改善が期待できる場合もあります。
とはいっても「便秘くらいで病院に行くのはちょっと…」とためらう方もいるかもしれません。
しかし、便秘が重大な病気のリスクを高めることや、ほかの病気の初期症状であることが明らかになってきました。

下のグラフは便秘症の人とそうでない人で、15年後の生存率を比べたものです。便秘症の人はそうでない人に比べ、生存率が低いことが示唆されました。5)

 

慢性便秘症を放っておくと、循環器系疾患(心筋梗塞や心不全など)や脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)による死亡のリスクが高まるという研究もあります。それによると、排便頻度が「4日に1回以下」の人は、「1日1回以上」の人に比べ、循環器系疾患で死亡するリスクが約1.4倍、脳血管疾患で死亡するリスクが1.9倍という結果になりました。(下図)6)

 

さらに、便秘があると慢性腎臓病(CKD)を発症するリスクが高まり、便秘が重い人ほどさらに発症率も高まるという研究結果もあります。(下図)1
慢性腎臓病は、症状が進行すると、人工透析や腎移植が必要な腎不全になる重大な病気ですが、初期は自覚症状がほとんどありません。20歳以上の8人に1人がかかっているとの推計もあり、新たな国民病ともいわれています。7

 

≪中島 淳先生(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授):たかが便秘と捉えがちですが、慢性便秘症は生命予後だけでなく、様々な疾患に影響があることが分かってきました。便が出ないだけが便秘ではなく、硬い便で怒責(いきみ)が強かったり、残便感があったりするというのも便秘の症状の一つです。一度、便の回数、形を見直してみることで、ご自身の便秘の症状に気付くこともあります。便秘かも?と思ったら一度、便の回数、形を確認して、かかりつけ医に相談してみましょう。

中島 淳先生(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授)

便秘診療は進化している

「どんな診察や治療があるのかよくわからず不安」という方がいるかもしれません。

慢性便秘症の診断では、まずは日ごろの生活や排便状態(排便の頻度、便の状態、排便時の不快な症状など)について聞きとる問診を行います。
お腹の張り具合や腸の動きを聴診器で聴く場合もあります。
腸などに異常がない慢性便秘症の場合は、生活習慣や食事の改善に加え、薬による治療を行うのが一般的です。

近年は新しい治療薬や体外式超音波検査(エコー)を用いた検査方法が登場するなど、便秘の診療は進化しています。
2023年には、医師が「慢性便秘症」を治療する際の指針を示したガイドラインも新しくなりました。8

中島先生:新しいガイドラインでは治療の目標として、自発的なすっきりした排便と生活がスムーズになることが盛り込まれています。新しい処方薬の登場や、新しい検査である体外式超音波検査(エコー)検査の活用も始まっています。便秘に悩まずに、一度、病院を受診してみてはいかがでしょうか?

便秘で受診する際は、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。かかりつけ医がいない場合など、何科が良いのか迷ったら、内科、消化器科、胃腸科、便秘外来などを受診しましょう。
便秘は病院で治療をすることで改善する時代になっています。「体質や年のせいだから仕方がない」とあきらめず、治療することが大切です。


一般の方向けの便秘に関する情報サイト
https://www.e-ben.jp/

 

1)Sumida K, et al.: J Am Soc Nephrol. 28(4): 1248, 2017
2)Shimizu Y, et al.: Public health 2023 Aug; 221; 31-38.
3)Lewis sj ,et al.: Scand j Gastroenrerol 1997;32:920-924
4)Nakajima A,Geriatric Medicine.57(6):541~542,2019.
5)Chang JY, et al. Am J Gastroenterol. 105(4): 822-832, 2010.
6)Honkura K, et al. Atherosclerosis. 246: 251-256, 2016.
7)NPO法人日本腎臓病協会 https://j-ka.or.jp/ckd/ (2023年10月23日アクセス)
8)日本消化管学会,便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症,2023

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