うんちweek

「発酵性」の食物繊維で腸を整えよう

太陽化学株式会社
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うんちweek2023応援企業

2023/11/07

うんちは体の状態を伝えてくれる大切なお便りです。うんちをチェックして、腸内環境を整えることの大切さについて、榊原 千秋さん(うんこ文化センター おまかせうんチッチ代表、一般社団法人日本うんこ文化学会 代表理事)と、太陽化学株式会社の安部 綾さん(ニュートリション事業部 研究開発グループ)にお話を伺いました。(聞き手:NPO法人日本トイレ研究所代表理事・加藤篤)

左から日本トイレ研究所・加藤、榊原 千秋さん(うんこ文化センター おまかせうんチッチ代表)、安部 綾さん(太陽化学株式会社)

 

生活の答え合わせがうんち

―― 日本トイレ研究所では、排泄から健康を整えてもらうことを目的に「うんちweek」という活動の一環として2022年は小・中学校127学校、約1万4,000人のうんちチェックを実施しました。その結果、小学生では、硬い便が2回以上出ていて便秘が疑われる児童が16.6%、1年生女子に限ると25.0%いました。
一方、厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」における便秘の有訴者は、5~9歳で0.7%、10~14歳で0.5%です。調査方法などが異なりますので単純比較はできませんが、このギャップは課題だと感じています。

榊原さん:石川県小松市で「うんこ文化センター おまかせうんチッチ」という排泄に関する相談所を設けたり、「POOマスター」という排便ケアのプロフェッショナルを養成する活動をしていますが、子どもの便秘の相談はとても多いです。
コロナ禍において、最初に相談がきたのが子どもの便秘に関することでした。運動量が減ったり、ストレスが増えたりしたのが原因ではないかと思っています。食事・生活習慣指導や排便姿勢などスムーズな排便のためのアドバイスをしていますが、ベースとなるのは「観便」(うんちを観察すること)です。「今日見たうんちが、ここ数日の生活の答え合わせだよ」とお伝えしています。

 

うんちを見れば腸内環境がわかる

―― 腸内環境を整えることの重要性は広がっていますか?

榊原さん:コロナ禍で、特に免疫という観点から腸内環境が注目されるようになりましたね。免疫力が高まっているかどうかは、体を外からみてもわかりませんが、うんちを見ることで腸内環境の状態がわかります。いいうんちが出ているかどうかをチェックすることは、子どもの健康のバロメーターにもなると思います。
「おまかせうんチッチ」では、うんちの形と量を確認することのほか、においの確認をすすめています。赤ちゃんのうんちはちょっとすっぱいにおいで、あまり臭くないですよね。理想のうんちは赤ちゃんのうんちに近いすっぱいにおいなので、私は「ジャスミンのにおいを目指そう!」とお伝えしています。

榊原 千秋さん

 

高発酵性の食物繊維が腸内環境を整える

――いいうんちを目指す上ではどんなことを心がけるといいでしょうか?

榊原さん:食物繊維がいいというのは知られていると思いますが食物繊維にも種類があって、うんちをツルンと気持ちよく出すためには、水溶性食物繊維を意識してとることが必要です。納豆、おくら、長いもなど、ねばねばした食品には水溶性食物繊維が含まれています。私はこうした食品をとることを「ねばねば大作戦」と言ってみなさんに呼びかけています。
ほかにも、おなかの調子を整えるために、高発酵性の食物繊維やオリゴ糖をとることもすすめています。最近は、腸を整えるポイントとして「発酵性の食物繊維」が注目されています。簡単にいうと、食物繊維のなかでも、腸内細菌によって分解されて「短鎖脂肪酸」を作り出すものが、発酵性食物繊維と呼ばれています。なかでも特に効率よく短鎖脂肪酸を産みだすものが、高発酵性の食物繊維です。

 

安部さん(太陽化学):発酵性の食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになりやすく、短鎖脂肪酸がつくられるのを促します。短鎖脂肪酸というのは、最近の研究で、腸内環境の改善や、便通の改善に加え、消化管ホルモンの分泌を調整して血糖値の上昇を抑えたり、免疫細胞に作用してウイルスや細菌から体を守ったりする働きがあることがわかってきました。
従来の認識では人間が消化できないものが食物繊維で、その残りかすが便の量を増やすという考え方でしたが、今は、食物繊維を腸内細菌に分解してもらって、短鎖脂肪酸をたくさん産み出してもらうことが重要であることが明らかになってきています。

太陽化学で扱っている「グアー豆食物繊維」は他の食物繊維に比べ、腸内の善玉菌のエサになりやすく、「短鎖脂肪酸」の産生を促します。 短鎖脂肪酸を増やして腸内環境を整える作用があるため、便秘だけではなく、下痢も改善することがわかっています。

腸内での発酵性の違いを表した図(提供:太陽化学株式会社)

 

―― グアー豆食物繊維とはどんなものですか?

安部さん:グアー豆食物繊維は、インドで古くから食べられてきた野菜であるグアー豆から作られています。介護施設や病院でも便通改善のために使用されており、子どもが口にしても安全な食品です。
グアー豆食物繊維は、発酵性が高い一方で、腸内でゆっくり発酵が進むため、おなかが張ったり、痛くなったりしにくいという特長があります。おなかが痛くなりやすい方や、下痢気味の方にも安心して摂取してもらえます。

インド・パキスタン地方で古くから食べられているマメ科植物・グアー豆(提供:太陽化学株式会社)

 

排便記録で振り返ろう

榊原さん:腸内細菌叢は人によって異なり、まさに百人百様です。だから同じものを食べても、人によって反応が違ってきます。私たちの「おまかせうんチッチ」では、排便で悩んでいる人に「どうすればいいか一緒に考えよう」とお伝えして、朝・昼・晩の食事で食べたものを書いてもらいます。さらに、排便記録表で、便の形・量・生活状況を記録してもらいます。これらの記録を振り返りながら、次の食事を考えてもらうところまでお願いしています。自分で記録して、さらにどうすればいいか考えることで、モチベーションが高くなります。

――記録によって自分で気づきが得られると、周りから「こうしなさい」と言われるよりも、実践しやすいですね。

榊原さん:排便には自律神経が関わっていますので、食事のほかにも気をつけてほしいことがあります。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、セロトニンの分泌が促されることで、副交感神経が優位な状態を作ることにつながります。交感神経が優位な緊張状態ではいいうんちは出ませんので、副交感神経が優位なリラックスした状態を作ることも大切です。いいうんちがすっきり出るようになると、ほがらかになる人が多いですね。

 

排便姿勢の改善でうんちが出る子どももいる

――子どもの便秘の場合、他に気をつけることはありますか?

榊原さん:排便姿勢も注意してほしいです。特に保育園から小学生くらいの子どもの場合は、足がしっかり床につかないことも少なくありません。
「座って前かがみになると、直腸と肛門がまっすぐになってうんちが出やすくなる」ということを、一緒にその姿勢をとりながら説明します。子どもでも自分の体のことを理解して「なぜそうする必要があるか」がわかると身につきますね。保護者には足台などを置くことを提案しています。排便姿勢を改善することで、うんちが出るようになる子どももいます。
子どもの便秘の多くは、肛門のすぐ上の直腸まで便が降りてきているのに溜めてしまう直腸性便秘です。直腸に硬便がたまっている場合は病院で出してもらう必要があります。出口でふたをしている状態なので、その状態で食事療法をしても、さらに悪化してしまうからです。直腸をからっぽにしてから、よい便性にするために調整していくことが必要です。

安部さん:うんちは毎日の生活のことですから、硬いうんちが出ていると毎日つらいですよね。生活の質に大きくかかわると思います。

 

うんちを記録して自分にあった食物繊維を選ぶ

―― 体にインプットするほうだけをがんばりがちですが、うんちをよく観察して、生活を振り返ることも大切ですね。

 榊原さん:子どもからお年寄りまでの排便相談に関わっていますが、うんちは出ていればいいと思っている人がまだまだ多いと感じます。気持ちよくうんちを出すという方向に変えていくには、子どものころから気持ちよく排便するという体験が必要だと思います。そのために保護者にも気持ちよく排便してもらいたいです。排便の相談を受ける際は、必ず排便記録をつけてもらいます。

安部さん:腸内環境が良くなったかどうかは、うんちの状態によって確認できますので、排便記録をつけてもらうのは大切です。グアー豆食物繊維も、排便記録をつけることで自分に合っているかを確認しながら試してもらいたいです。

榊原さん:腸内環境は一人ひとり異なりますので、すべての人に合う対応策はありません。色々と試しながら、自分にあった方法・食物繊維を選ぶことが大切です。うんちの形・量・においは、生活の答え合わせです。ぜひジャスミンのにおいを目指してほしいです。

――うんちweekをきっかけにして、日頃から排泄のことを話題にしてもらいたいですね。ありがとうございました。

 

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