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NO MORE、トイレ難民!さて、トイレ難民ってだれのことでしょうか?

加藤 さくら
加藤 さくら
こころのバリアフリークリエイター

2021/08/05

突然ですが、質問です!

Q. 『ユニバーサルシート』をご存知ですか?
A. 分からない!という方はこちらの写真をご覧ください。

幼児期から高齢者までオムツ替えなどの目的で使用できるベッドです。ちなみに写真のユニバーサルシートに横たわっている子どもは、私の次女。身体障害があり、生活をする上でほぼ全介助を必要とします。

では、『ベビーベッド』はご存知ですか?
乳児期から2歳くらいまでのお子さまのオムツ替えで使用するベッドです。

上記写真のベビーベッドに乗っているのは、当時9歳の娘です。
サイズ的にはとっくに限界を超えています(笑)
しかし、世の中の多目的トイレに『ユニバーサルシート』がほとんど設置されていないため最近まで仕方なくベビーベッドを使用していました。実際は危ないので良い子はマネしちゃだめです。
オムツ替えが必要なのは、乳児期~幼児だけではなく、学童期以降高齢者までオムツを必要とする方はいます。
では、ユニバーサルシートがない場合、外出先でどのようにオムツ替えをしているのでしょうか。

「多目的トイレの床にビニールシートを敷いてその上で替える。衛生面気になるけど仕方なく」
「駐車場まで戻って、車の中で替える。」
「キャンプ用の簡易ベッドを持ち歩く」
「尿取りパッドを2枚くらい重ねてつけて、おむつ替えしなくてもいいように準備していく」
「オムツが濡れていても我慢させる」

みんな、試行錯誤をするのが当たり前となっていて、正直「外出先に使えるトイレはない」と諦めている現実があります。
まさに、『トイレ難民』
実は、ユニバーサルシートの認知度がまだまだ低く、お出かけ先で見かけたらラッキー!という感じなのです。そもそもニーズがあることが知られていないもよう。

ここで、あなたに疑似体験をしていただきます。
介助する側になりきって、下記のシチュエーションを読んで想像してみてください。

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今日は身長130cm、体重20kg、自分で立つこと歩くことができない、座位も不安定、全介助必要な車椅子ユーザーのマコちゃんとショッピングモールにお出かけです。お昼を食べ終わると突然マコちゃんが「トイレ!ウンチもれそう!」と騒ぎだしました。あなたは急いで車椅子をおして多目的トイレに向かいます。マコちゃんは用を足すのに、ズボンやオムツをおろす等、介助をしてもらう必要があります。抱っこで便座に移動し、用を足す間は座位が不安定なマコちゃんの両脇を支えます。終わった後は、お尻を拭いて、オムツ替え、洋服を着て車椅子に乗せて、マコちゃんとあなたの手を洗って、多目的トイレをでます。

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さて、ここまでの一連の流れを想像していただいたところで、トイレにどんな設備があったら、マコちゃんもあなたも快適でしょうか?または、両者にとって無くては困る設備は何でしょうか?

では、現状どんな方がトイレの困りごとがあるのか、日ごろトイレの介助をしている方(障害当事者家族、支援者など)77名を対象に『介助者がうれしいトイレのつくり』についてアンケートを実施した結果を紹介します。

NPO法人D-SHiPS32 スナック都ろ美 実施 『介助者がうれしいトイレのつくり・ニーズについて』

先ほどの疑似体験で「ユニバーサルシート(ベッド)必須だ!」とイメージできたかと思いますが、調査結果でもダントツのニーズですね。

さて、問題です。
Q. 必要なもの項目の10番目にある『カーテンなどの仕切り』はなぜ必要なのでしょうか?
A. 介助者と一緒にトイレに入るときにプライベート空間をつくるため。

シンプルに、用を足しているところ、見られたくないですよね?
カーテンなどの仕切りがトイレ内にあると、介助者はカーテンの後ろで待機できます。
また、介助が必要な方と一緒にお出かけするとき、介助者が用を足すときも多目的トイレを使用することがあります。

(使いやすいトイレで定評のあるディズニーリゾート内のトイレ。もちろん、カーテンもある!)

ユニバーサルシートが外出先のトイレに無くて困るのであれば、必要性を発信して、理解を深め、設置してもらえる場所を増やしていく他ない。
現状を変えるのに必要なのは、当事者が声をあげること!
そこで、同じ志をもつ方々を集めるために、Facebookグループで『ユニバーサルシート設置大作戦!(仮)』というグループを作りました。

目的は2つ。

①公共施設におけるユニバーサルシートの設置義務化
 ⇒国に要望書を提出します。

②各都道府県で設置事例を増やします
 ⇒当事者が声をあげて設置される事例をどんどんつくっていきます!

どなたでも参加いただけるコミュニティグループなので、興味がある方はぜひ下記QRコードを読み取り、ご参加ください。

(画像をクリックすると「ユニバーサルシート設置大作戦!」のページに飛びます)

お出かけしやすい世の中に絶対必要なトイレ環境を、みんなで創ろう!
NO MORE、トイレ難民!

加藤 さくら
加藤 さくら
こころのバリアフリークリエイター

障害福祉を軸に5団体に所属して面白いことをカタチにするパラレルワーカー。次女は福山型先天性筋ジストロフィーの疾患がある。
著書:『えがおの宝物』進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」(光文社)
ブログ:https://ameblo.jp/sakurakato/

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