おすすめトイレ

最新の野球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」のトイレ

日本トイレ研究所
日本トイレ研究所
Japan Toilet Labo.

2023/10/26

はじめに

今回紹介するのは、「エスコンフィールドHOKKAIDO」のトイレです。最新の野球場のトイレがどのようなものか取材に行ってきました。
エスコンフィールドは、北海道北広島市の北海道ボールパークFビレッジにある日本初の開閉式屋根の天然芝球場で、プロ野球・北海道日本ハムファイターズが2023年より本拠地として使用しているホームグラウンドです。

エスコンフィールドHOKKAIDO

豊富なトイレ数

トイレの混雑を避けるために利用の回転率を上げることを重視し、一般用のトイレは19か所で、便器の数も豊富でした。他球団と比べて女性ファンの比率が高いため、便器数は男性用308基(小便器・洋便器合算)、女性用373基で、女性用が多めに設置されていました。ちなみに便器数は、球団の経験と国際基準である「スフィア基準」をベースに、独自に算出したそうです。

エスコンフィールドHOKKAIDOにおけるトイレの数

混雑回避の工夫

トイレの混雑を回避するための工夫はトイレの数だけではありません。ここでは主なものを3つ紹介します。
1つ目は、鏡のない洗面台です。男性用・女性用共に洗面台には鏡がなく、別途出口付近に姿鏡が設置されていました。女性用トイレには、パウダーコーナーも設けられていて、手洗いと化粧の用途を分けることで、人の流れがスムーズになるように配慮されています。

鏡のない洗面台

2つ目は、ブースの空き状況が一目で分かる仕掛けです。ブースの扉上部に目をやると、矢印サインのような札が付いていました。これは、扉の開閉と連動しており、一目でブースの空き状況が分かるようになっています。ブースの数が多いと、空いているかが分からず不必要に待ってしまい混雑の原因になることがありますが、このサインにより空いているブースが一目瞭然なのでアクセスがスムーズになります。

ブースの空き状況が一目で分かる仕掛け

3つ目は、一方通行の動線です。一般的なトイレは出入口が共通ですが、混み合いそうな箇所のトイレは入口と出口を分けて一方通行になるようなレイアウトになっていました。これにより、トイレ内の動線が交差することないので、人の動きがスムーズになり、混雑を避けることにつながります。

一方通行の動線

誰もが安心して快適に利用できるトイレ環境

すべての利用者が安心して快適にトイレを使えることはとても重要です。全19か所のトイレ(一般用)のうち15か所にバリアフリートイレが設置されていました。設備も充実しており、手すりやオストメイト対応設備、子ども用の便器、おむつの交換台、おむつの回収ボックスなどが設置されていました。また、女性用の生理用品の配付も行われていました。

バリアフリートイレ

生理用品の配付

また、防犯の観点からもレイアウトが工夫されていました。犯罪機会論では、男性と女性の動線を分けるゾーニングが重要とされています。エスコンフィールドのトイレは、男性用と女性用のトイレが離れた位置に設置されていました。

男性用と女性用が離れて設置されている

以上、エスコンフィールドのトイレにおける様々な取組みを紹介しました。野球場には、老若男女の大勢のファンが訪れます。ゲーム観戦はもちろんですが、食事やショッピングも重要なコンテンツです。これらを満喫するには、安心して快適に利用できるトイレ環境が欠かせません。
エスコンフィールドのトイレを一言で表すとしたら「シンプル」です。それでいて機能的でもありました。トイレ以外にも本当に魅力的な施設なので、皆さんも北海道に行かれた際には、ぜひ足を運んでみてください。

トイレの壁紙に書かれた新庄監督の言葉

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「トイレ」を通して社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動しているNPOです。トイレから、環境、文化、教育、健康について考え、すべての人が安心しトイレを利用でき、共に暮らせる社会づくりを目指します。

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