
人生100年時代、高齢になると、もしかしたらおむつをつけることになるかもしれません。
自分自身だけでなく、両親やパートナーなど、身近な人のおむつケアが必要になることも考えられます。ですので、大人のおむつのことを学んでおくことはとても大事だと思います。
そこで、とあるメーカーさんからおむつを提供してもらい、自宅でおむつ体験(排尿)をしてみました。詳しく書くとものすごく長くなるので、ポイントのみ報告します。
おむつを上手く活用するために必要なのは次の3つです。
①自分の尿量と回数を知ること
②おむつの適切なサイズを知ること
③おむつのつけ方と使い方を知ること
おむつには吸収量が設定されています。ということは、自分の1回あたりの尿量を知ることが必要で、これが分かっていないと不安ですし、おむつから漏れてしまいます。しっかり吸収されないままだと皮膚トラブルにもつながります。
次にサイズです。大きい方が安心と思いがちですが、大きければよいというものではありません。そりゃそうですよね。フィットしていないとすき間から漏れます。このとき着目すべきは足まわりです。ウエスト部分はかなり伸縮可能ですので、足まわりの太さに合わせてしっかりフィットすることが重要です。イメージ的には、ちょっと小さめと感じるくらいがよいのかもしれません。
最後に、つけ方と使い方です。自分で自分におむつをあてるなんて、多くの人はやったことがないと思います。普通はケアが必要なときにやってもらうのだと思いますが、ぜひ、やってみてください。かなり難しいですし、抑えるべきポイントが分かるような気がします。いろいろ注意点はありますが、なかでもとくに重要なのは、足まわりのギャザーをしっかり立ててつけることです。
今回、使用したおむつは、インナーの尿とりパッドとアウターのおむつ(テープ止めタイプ)を組み合わせてつけるタイプでした。インナーは1枚で十分で、おもに使用ごとにインナーのみを交換して、アウターは何回かに1回交換する方式です(私は、それを知らずにアウターのみで体験してしまいました…あぶなかったです)。
間違ったつけ方のあるあるで、漏れるのが心配でインナーを何枚も重ねてしまうというのがあります。気持ちはよくわかりますが、これはマイナス効果です。何枚も重ねるとむしろ漏れやすいのです。漏れてしまう原因の多くは、サイズがあっていないか、つけ方が間違っていると考えた方がよいです。
おむつで排尿してみた使用感についても一つコメントします。サイズやつけ方が上手くできていないと、いろんな意味で快適性を損ないます。たとえば、漏れる、尿が肌につく、湿気がこもるなど。
今回の私がまさにそれで、漏れることはなかったのですが、そもそも使い方が間違っているので、湿気がこもる感じがして早く取り替えたいと思ってしまいました。
この感想を、排泄ケアを専門とする看護師の畠山誠さんに話したところ、病院や施設でもおむつを適切につけられていないことがよくあるそうです。
おむつが適切につけられていないと、排尿後に不快になるので、おむつを外そうとしたり、立ち上がろうとしたりします。
自分でやってみたから、そうしたい気持ちがものすごく分かります。
でも、病院や施設でおむつを無理に外そうとする、何度も立ち上がろうとする、不快で怒る、というような行為は問題行動とみなされがちです。本人からしたら不快だけど、その理由を上手く伝えられないのでこのような行動をとってしまうわけです。
本人にとっても、ケアする側にとっても不幸です。すべてがおむつに原因があるわけではありませんが、おむつを適切につけられているかどうかのチェックは必須ですね。
とにかくおむつの知識はとても重要なので、別の機会に丁寧に書きたいなぁと思っています。
みなさんも一度、おむつを試してみてはいかがでしょうか。きっと、いろんな気づきが得られるはずです。
(この記事はnote「うんちはすごい!」から転載しています)
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