子どものトイレ

0~3歳児の排便・食事・睡眠に関する調査

日本トイレ研究所
日本トイレ研究所
Japan Toilet Labo.

2022/10/28

子どもの便秘は、離乳食の開始時期やトイレトレーニングの実施時期などに発症することが多いと言われています。しかし、「排便」に関する情報は不足しており、適切な処置がされないことがあります。便秘を放置することは母子のQOLを障害する可能性もあるため、適切なケアが必要です。

日本トイレ研究所では、令和3年度に子供が輝く東京・応援事業の助成を受け、「子供の健やか排便習慣サポート事業(仮称)」を実施しています。事業の一環で実施した「0~3歳児の排便、トイレトレーニング、食事・栄養、睡眠に関する困りごと調査」結果の一部をご紹介させていただきます。今回の調査概要は以下の通りです。

 調査対象:東京在住の0~3歳児の保護者1,000人(0、1、2、3歳児の保護者各250名)
 調査方法:インターネット調査
 調査期間:2022年3月1日(火)~3月4日(金)
 実施主体:特定非営利活動法人日本トイレ研究所

排便に関する困りごと

排便に関する困りごとは、全体では「おむつが外れない」(19.3%)が最も多く、次いで「便秘」(17.7%)でした(「ない」(46.3%)を除く)。

年齢別で見ると、0・1歳では「便秘」が最も多く、トイレトレーニングが始まる頃の2・3歳では「おむつが外れない」が最も多い結果となりました。

便秘が気になりだした時期

便秘が気になりだした時期は、「6か月未満」(35.6%)が最も多く、「1歳未満」が全体の58.2%でした。その中で最も多いのは「0~1か月」(16.5%)で、生まれて間もない時期から便秘のケアが必要であることを改めて認識する結果となりました。

トイレトレーニングについて

開始時期は「2歳~2歳半未満」(27.3%)が最も多く、次いで「2歳半~3歳未満」(21.0%)、「1歳半~2歳未満」(15.4%)でした。

トイレトレーニングの困りごとについては、「開始時期が分からない」(43.6%)が最も多く、次いで「意思表示が分からない」が(26.0%)、「便意のタイミングが分からない」(20.5%)であった。年齢別に見ると、2歳までは「開始時期が分からない」が最も多く、3歳では「トイレに行くのを嫌がる」が最も多い結果となりました。

食事・栄養に関する困りごと

食事・栄養に関する困りごとは、「遊びながら食べる」(39.2%)が最も多く、次いで「好き嫌いが多い」(27.3%)、「お菓子ばかり食べてしまう」(19.9%)でした。いずれの年齢においても「遊びながら食べる」が最も多い結果となりましたが、2歳以降になると「好き嫌いが多い」が増加傾向にありました。

睡眠に関する困りごと

睡眠に関する困りごとは、「夜間に頻繁に起きる」(26.9%)が最も多く、次いで「寝つきが悪い」(26.0%)、「遅寝・遅起き」(22.2%)でした。「熟睡しない」と「夜間に頻回に起きる」は年齢が上がるとともに減少傾向にありますが、一方で「遅寝・遅起き」は増加傾向にありました。

まとめ

今回の調査では、排便に関して「便秘で困っている」人の割合が17.7%と、2017年に全国47都道府県の小学生4,777名を対象に実施した調査で明らかになった便秘状態*の割合(16.6%) と近い結果となりました。他の調査でも子どもが便秘状態と考えられる割合が2割前後となる場合があるため、深刻に受け止める必要があると考えています。また、便秘が気になりだした時期は半数以上が生後6か月未満であり、改めて早期からの便秘のケアの重要性を認識する結果となりました。
今後は便秘など排便に関する困りごとと食事・栄養や睡眠の困りごととの関連性を分析し、子どもの健やかな成長には、排泄・食事・睡眠を切り離して考えるのではなく、つなげて考えることの重要性を啓発していきたいと思います。
*国際的な便秘の定義であるROMEⅢ基準に照らし合わせて判断

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「トイレ」を通して社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動しているNPOです。トイレから、環境、文化、教育、健康について考え、すべての人が安心しトイレを利用でき、共に暮らせる社会づくりを目指します。

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