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所沢発、地域活性につながる新しいスタイルの公共トイレ「インフラスタンド」

小澤大悟(KAWAYA-DESIGN)
小澤大悟(KAWAYA-DESIGN)
日本トイレ大賞2023

2024/01/25

日本トイレ研究所では、11月10日のいいトイレの日に合わせて「日本トイレ大賞」として、トイレ・排泄に関する社会課題への取り組みを表彰しています。

2023年は、「所沢発!地域活性化につながる新しいスタイルの『公衆トイレ』」と「車椅子インフルエンサー」と「『やったことある!』を生かして、誰もが安心できる『トイレ』へ」の3つの取り組みを表彰しました。今回は「所沢発!地域活性化につながる新しいスタイルの『公衆トイレ』」をご紹介します。

【施設紹介】

大便器×1台

小便器×1台

手洗い設備、ベビーシートが1基設置してあります。
又、女性用品とオムツがフリーで利用できるように備え付けてあります。
敷地内には、ベンチ・シェアサイクルステーションが併設してあり、フリーWi-Fiが提供されています。

縦長に伸びた建屋は、太陽の光によって温められた空気が便房内に上昇気流を生み出します。 これにより、無電源で常に自然に換気が行われています。

 

民間の水道工事会社が建築したインフラスタンド建築の目的とは?

3K・底辺職といった偏見に晒されやすく、深刻な人手不足に悩む水道工事業界。人々が日常生活するうえで不可欠な仕事でありながら冷遇される現状を変え、「この業界をもっと魅力的でワクワクするものに変えていきたい。」そんな想いが「インフラスタンド」建設のきっかけになりました。

トイレと水道工事業界に対するネガティブなイメージを一新すること。「インフラスタンド」を通じて、トイレや水道工事業界のイメージアップをはかり、同時にこの場所を拠点としたコミュニティの形成を目指していく事を決めました。
「若い世代にこの仕事の魅力を知ってもらいたい」、「トイレのネガティブなイメージを変えたい」、込められた想いは沢山ありますが、この施設が水道工事業界とトイレのイメージを変える一翼を担う存在になると信じています。

創業55年。地域の水回りに貢献してきた私たちの経験や知識を積み上げた2022年「インフラスタンド」のオープンをきっかけに新たな挑戦がスタートしました。

 

公共トイレで開催されるマルシェKAWAYA市

「インフラスタンド」はイベントスペースとしての貸し出しや、 KAWAYA市のようにマルシェとしても幅広く利用することができる公共トイレです。

昨年は15回催事が行われました。
特に11月18日と19日に開催された「KAWAYA市Vol.3」では、所沢市、西武グループ3社と連携した一大イベント「TOKOROZAWA DESIGN WALK」の一部としても開催いたしました。

 

今回の新しい取り組みとしてナイトイベント「KAWAYA夜」を実施いたしました。 冬空の下、スティールパンの美しい音色と幻想的なリキッドライトが照らすインフラスタンドは 街の公衆トイレというより、名だたる観光名所の様な風情がありました。

 

トイレの横で食事をする人、買い物が終わってもその場に留まり会話を楽しむ人。 トイレの不安がなくなる事で滞在時間が延び、お金を使う。 来場者と出店者の間で新しいコミュニケーションが生まれる。 「インフラスタンド」は人と人とを結ぶコミュニティとなっていました。

 

KAWAYA市Vol 3

当初は公共トイレとしての認知が低く、入りづらさを感じる方もいらっしゃいました。しかし、KAWAYA市を通してこの場所の本当の姿を知っていただいたことで、保育園のお散歩コースとしてベンチで休憩する園児や、登下校で利用する学生さん、営業周りのサラリーマンのトイレスポットとしても、認知していただけるようになりました。

今後の展望

イベント来場者様の中には弊社に興味を抱いて実際に採用エントリーしてくれるという嬉しい出来事もありました。以前までの応募動機との大きな違いは、「どこでもいいから働く」という動機ではなく、私たちの仕事に興味を持ってエントリーして頂いたという点でした。

「若い世代にこの仕事の魅力を知ってもらいたい」込められた想いが少しずつカタチになっていくことを実感させていただきました。

KAWAYA市を行った事による成果として多数のメディアの方から取材を受けることができました。

・日経新聞 公共トイレ、アート・デザインでイメージ刷新(2023年9月27日)
・埼玉新聞 汚い臭いはずのトイレ…イメージ覆す“注目トイレ”誕生 周辺でイベント開催、客が集まり街のシンボルに 次のイベント開催相談も 会社社長が偶然気付いたトイレの可能性 着眼点すごいと話題(2023年11月27日)

そして沢山の方に取り組みを評価していただける機会にも恵まれました。

・関東商工会議所さまより「2023ベストアクション賞」
・NPO法人日本トイレ研究所さまからは「2023日本トイレ大賞グランプリ」
・公共R不動産さまより「NEXT PUBLIC AWORD2023優秀賞」

こうして外部の方から当社を評価していただけることは本当に幸せこの上ない事です。また、このように様々なメディア様に取り上げていただくことで、世間のトイレに対するイメージが少しでも変わるきっかけになれればと思います。
これからもトイレが秘める可能性を発掘しインフラスタンドを、日本のトイレ文化を発展させていけたらと考えております。

小澤大悟(KAWAYA-DESIGN)
小澤大悟(KAWAYA-DESIGN)
日本トイレ大賞2023

トイレ愛が凄すぎて自社敷地内に公共トイレ【インフラスタンド】を作りました/公共トイレを中心としたマルシェKAWAYA市を主催しています/業界の常識を変え、トイレで世の中にワクワクを/石和設備工業代表取締役/かっこいい水道屋日本一を目指しています!

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