NPO法人日本トイレ研究所は、自分自身の便の状態を知ることで健康について考えてもらうため、11月10日~19日を「うんちweek」として、さまざまな活動を行っています。
2021年の特設サイトでは、うんちに関する知識を楽しく学べる「うんちweek2021クイズ」を公開しています。
うんちweekにあわせて、学生を対象に実施したアンケート「学生1,050名の排泄に関するアンケート調査」を紹介します。(アンケート結果の全文はこちらの「みんなのうんちデータ」からご覧いただけます)
排尿・排便に関する意識や習慣の把握を目的に、Googleフォームを利用したインターネット調査で、主に大学生を中心に調査に協力いただきました。
自分を便秘だと思う人は17.5%
「ご自身を便秘だと思いますか」という質問に対し、「便秘だと思う」と答えた割合は全体の17.5%でした。性別にみると、「女性」(26.3%)が「男性」(6.3%)の約4倍となりました。女性は月経周期との関連などで便秘になりやすいことが知られています。
▼月経(生理)と排便の関係についてはこちらの動画で、女性ヘルスケア専門医の飯田美穂から解説しています。
便秘症の診断基準に該当するのは22%
「排便習慣に関して、以下の項目であてはまるものをすべて選んでください」という質問に対して、最も多かった回答が「排便中に強くいきむ必要がある」(242人)、2番目が「排便しても便が残っている感じがある」(233人)でした。
これらの6項目は、便秘症の診断基準(表現をわかりやすく変更)で、2項目以上にあてはまると便秘症の可能性があります。2項目以上あてはまる人は22%、1項目あてはまる人は25%でした。
冒頭に紹介した、自分を便秘だと思うと答えた割合よりも多い結果となっています。
便秘は排便の回数に注目しがちですが、このように、強くいきむ・便が残っている感じがする・硬い便が出るなども、便秘の基準となっています。回数だけではなく、すっきりと出せているかどうかが重要といえます。
51%が排便について困っている
「排便について困っていることがありますか」という質問には、51.4%が何らかの困りごとがあると答えました。困っている項目として最も多いのは「下痢しやすい」(212人)、次に多いのは「排便回数が少ない」(184人)、3番目が「お腹が張る」(162人)となりました。「排便回数が少ない」と「お腹が張る」の内訳は女性が多く、「下痢しやすい」という項目は男女半々に近い結果でした。
この結果について、中野美和子医師は「今回の1,050名は、多少でも関心のある者が参加している可能性があるが、それにしても、排便について困っている学生が51.4%と半数に達するのは、予想以上に多い。困っている内容からは、過敏性腸症候群、慢性機能性便秘症が主な原因と推測されるが、いずれも現代社会を反映する、ストレス、生活習慣に関連する機能性疾患である。新型コロナウイルス感染症流行で学生にも様々な影響が出ているが、それと関連しているかもしれない。」とコメントしています。
23.7%が排尿について困っている
排尿について困っていることは23.7%の方があるという結果になりました。
最も多かったのは「日中、排尿の回数が多い」(125人)でした。また、人数としては多くないものの「排尿後、下着をつけてから尿が少しもれることがある」(55人)、「くしゃみや大笑いをした際に尿がもれることがある」(38人)と答えた人も一定数いました。
この結果について、吉川羊子医師は「困りごととしては尿の回数が多い、という症状が最も多いようですが、困りごとに対して病院で相談されている方は少ないようなので、ご自身でどのような対処をされているのかを知りたいところです。女性であれば最近はテレビなどでも軽失禁用パッドなどの宣伝も目にしていると思うので、当座の対応として使うことも容易になっていると思いますが、男性に関しての排尿ケアの情報はあまり多くないように思うのでどう対処しているのか興味あるところです。」とコメントしています。
「排便や排尿に関する困りごとが生じた場合、どうしますか?」という質問に対しては、「ネットで調べる」(832人)が圧倒的に多くなりました。
排泄に関することは家族や友人にも話しづらく、病院に行くこともためらいがちです。 しかし排泄に関して気になることや困りごとがある場合は、早めに対応し、悪化させないことが大切です。日本トイレ研究所では、専門家と連携し、信頼できる情報提供を今後も行っていきたいと思います。
なお、このアンケート調査では、月経についての質問や悩みをたくさんいただきました。
▼いただいた質問から、月経と肌荒れ・ニキビ・おならの関係について聞いてみました。
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